ぼくは仕事ができない/れつら
 

ぼくは仕事ができない
ぴかぴかしたのとつやつやしたのの区別ができない
鈍色の玉が転がるのを捕まえることができない
持たされた白い機械の置き場がわからない
箱を左手に札を右手に持って
一歩下がったら箱を差し出すつもりで
気がついたら札を渡しそうになっている
あわててもう一歩下がって荷物にけつまづく
転がり落としそうな身体をなんとか支える
大声で笑われながら
誰もぼくが笑われていることを気にしてはいない
と言い聞かせるながら
身体を起こす
顔が青白いのは体調がわるいのではなくって
頭がわるいのです
要領がわるいのです
ぼくは仕事ができない
休憩所でみんなが煙草に火
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