メッセージ/
岡村明子
ある冬の朝
公園で
撤去された箱型ブランコの支柱の真下に座り
砂に文字を書いている
星が消えようとしているうちに
あらゆるところで細胞が目を覚まし
孤独な宇宙は
太陽に凌駕されていく
たくさんの足あとが
せめて
この文字を消さないように
砂の溝に小石を入れ
上からさらに砂をかぶせ
押し固め
る
いつか
雨に許されて露わになる日まで
この文字が消えないように
戻る
編
削
Point
(1)