消点/こしごえ
自恃
あれから、四次元経つというのに。
わたくしはあいかわらず
自分に忠実である
すべきことをするのみだ
朝に昼に晩に夜に
出来ないことは出来ない。
真実がわたくしを知っていれば
それでよい
四次元前から
のこりわずかなかなしびを
風葬している空殿は
胸中炎上しながら静止したまま
たったひとつの果実の愛は純粋なのであった
しんめり 、と青く
濡れる罪深い灯火 失った、
絶望から全てを取り返す
遠近法
笑い転げる赤子がいる、としたら
それは私だ
テンペストに難破した
自分自身の愚かさを笑っている。
四次元の絶望にかつて
囚われていた私のかなしびに
果てしなく闇が黙礼をされた、時
あの宇宙が沈んだ、
零の産声がする原野を歩む私の影に。
遠ざかって行ったのか遠くまで来たのか
濃くなるばかりの重く透けている闇へ
手をふる果実のおもい出を
したたる鮮血が自転する静脈道へ逆流する
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