「夢は遠くに想うもの」/広川 孝治
夢は遠くに想うもの
捕まえてしまうなら
ひとひらの雪のように
儚く淡く消えてゆく
夢は遠くに想うもの
辿りついてしまうなら
鮮やかなあの虹のように
儚く淡く消えてゆく
夢は遠くに想うもの
間近で見ると輝きは
降り立った月面の荒野のように
儚く淡く消えてゆく
夢は遠くに想うもの
そう呟いてみる僕の
鏡に映った瞳の奥に
かすかに燃え立った何かが
儚く淡く消えてゆく
夢は遠くに想うもの
呪文のように唱えては
迫りくる何かを避けるように
首を振りつつ背を向ける
夢は遠くに想うもの
夢は遠くに想うもの
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