しあわせ/柊 恵
 
お父さんと、お母さんは仲良し。
それは子供にとって、かけがえのないもの。
大切な心の宝石。
ただそれだけで、しあわせ。
みんな、しあわせ…

よろこびもかなしみも分けあっていたのに、
どこで狂ったのだろう。
いくら考えても判らない。
僕らは、いつ「しあわせ」を失ったのだろう。

香澄を愛していた。
一生、大切にしようと心に誓ったのに…。
いつの頃からか、僕らの心の底には互いへの憎しみが棲みついた。

冷えた夜に、
香澄の一言が吐止め刺す。

「風俗で、済ませたら!?」

僕の中で大切な何かが壊れた。
性は、家の外に求めるべき…

 遠き日の
 さやけ
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