けもの/
フクスケ
朝日が眩しい
視線の蛇行を
押さえ付けようとして
けものの息を吐く
人語を解さない内耳
に地面の足音が脈打つ
前世が
ひとか
けものか
草木だったか
忘れた
目に映るものには
言葉がない
匂いと
風の音
明滅するネオン
泣き声
雨の音
既視の記憶から
言葉だけが
崩落し続ける
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