春の粒子/水島芳野
 

枝先からしたたりそうな、
花びらの数々

春のご挨拶は
今日も僕らに、みがかれた朝をもたらそうと
せわしなく羽ばたいている。

忘れたくないものすべて
抱きかかえてなどいけない

けれど

おもいだしてみたいことは
いつまでも溢れている。


まだ怠惰な昼のゆめ


いつか鮮やかに芽吹くのなら

恐らく今宵も

君と抱きあう 夢をみる。
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