朝帰り/百瀬朝子
 
遊び明かした夜も終わり
よそよそしい朝の光が
地上を照らしている
空気はまだひんやりと
あたしの火照った心を冷ましていく
刹那、
解散という空虚が胸をよぎる
そんな夜明けを嘆いた

足並みを駅にそろえて
いそぐことなく行進
あたしたち、自由を手にしたソルジャー
指揮する上官は葬った
もう、誰にも咎められることはないから
ゆっくり帰還しよう

雲が太陽の下を横切った
地上に影ができた
   *
  四年ぶりの帰還は
  未来へつづく道のりの途中
  帰る家があるあたたかさに
  不自由さを感じながら
  その煩わしさに再び
  出陣を決意するのだろうか
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