トロワ/
梶谷あや子
ぼくは、綻びかけた水
燃え渡る花、降りしきる炎 それでも
常に飢えていて
誰かの 立っている処からは
分かれはじめた
友だち達
いま 遠く港の閉じていくのが
みえるでしょう
ぼく達に、忘れ得ない
体験などなかったけれど
このまま 命が続いて行くのなら
もうこれ以上は何も
遺さなくてもいいのかも知れないから
戻る
編
削
Point
(6)