独り言(三)/信天翁
 
       眼を見開いてもいいのだ
つつじが丘の鉛色した もがりぶえにも
         プリズムいろを放つ
   「血」の意図は息づいている と

      耳をそばだててもいいのだ
   マリンパークの透明な 潮騒にも
         あかねいろとなった
   「気」の旋律を漂わせている と

   両手のひらをあわせてもいいのだ
  廃屋跡の空に浮かぶ 千切れ雲にも
          にびいろとなった
    「水」の収斂が宿っている と


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