空ににげる/コーリャ
 
ていた。

空 が青くて青くて青くて青くて青い日がある、もう赤いと表現してしまいそうなくらい青いときがある、そんな日の夕暮れにはきまって公園にいった、かくれんぼ している子供をみつけてあげるためだ、どこからか口笛がきこえて、ゾウの遊戯具の下には、夕暮れ色に褪せたスニーカーが片方だけ、すてられている。

飛行機がキリトリ線をいれていくさまをみつめると、サンダルのことをおもいだす、また流れ星を発見するとサンダルのために祈る、いまごろ0.001光秒とかの速さでもって、ちがう星系でしっそうしているはずだから。

逮捕状をつきつけられて、もう逃げ場はないぞと言われたとき、「空があるさ」とつぶやいてから夢がさめる、まるまったティッシュの錯乱する暗い部屋をクロールして電燈をつける、こんなのが空かと笑ってしまう。

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