底魚/霧笛
放浪詩人のコミニュケィシオンは ビルの谷間の無線ラン
底魚の眠るがごとく ビルヂングの隘路にたたずめば
通りすがりの挨拶を 目顔で語る乙女たち
声亡き声が木霊して
西葛西ドンキホーテの店内に紛れていくらん
発展途上 発展途上
ホッテントット ホッテントット
グラマラス グラマラス
頭の中に 脈絡のない風車が回る
今夜のホテルは 杵間革命記念公園
公衆清潔所横のベンチのベッド 高反発すのこ型
背を縦じまにする 血流矯正装置が心地よい
底魚のごとく 天上を見上げれば星のきらめきさえも
食欲を誘い秋の虫が 早もグィーッと腹底に鳴く
放浪詩人 また一夜天然のときを経る
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