クラゲ/フミタケ
 
石を結んで鳴らす バラバラと鳴らす ひろいひろい夜の隙間を覆い尽くすほど大量にならす
でもバラバラな音が収束していってやがてぴったりと音を合わせるようになると静寂と対等にそれは轟いた

信号が変わり人々は点滅しながら立ち止まったり歩き出したり 座ったり寝転がったりして 時間は旅客機上空の凪で
泣いたり笑ったり 悲しんだり喜んだり コンピューターも53インチ液晶テレビもずぅっとつけっぱなしで眠り続けた後の交差点で
信号を見上げて 僕たちは立ち止まったり歩き出したりを繰り返す 制御されなきゃ殺しますよと

窓の外で朝が昇り昼がまどろんで夕方が赤く産声を上げて 秋をすぎ冬をごまかしてまた春
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