乾いた鱗を引っ剥がし/雨野六也
いつも同じ風景だ
同じところに部屋があって
同じところにポストがある
目の前を通る人は違うかもしれないけど
それを見てるのは、いつも私
こんなに人がいるのに
この風景を見るのは私だけ
でもうつむいたときに見える、あの暗さ
あれは、みんな同じじゃないかな
だからいつも、うつむいて。
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さあ、今こそ。
さあ、声を出せ。
さあ、明日を思い出せ。
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乾いた鱗なんかは、引っ剥がし、
さすらう覚悟を決めたなら、
後はもう、草臥れ儲けを決め込もう。
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