あしゅら/ふえるわかめちゃん
 

トタンの錆びた廃屋
人が落ちる
洋服の埃が落ちるつかのまに、
膝小僧を剥出し少年がひらくカバンのなかに、
乾いた血の乾いた土鳩の羽
きりきざまれる少年に、弟の、
さいごって、なによ
さいごなんていうからさ新幹線のプラットフォームから飛び降りたのは
ぼくか 、

それは

違うそれじゃあないだろう
廃校に成るまえ大木目野尋常で端の石にいた夜の晝の一面に櫻が咲いていつも消ゴムを
きりきざん

それは
だれ

真白い莟ひとつ
ふたつ
どの木も掛る

おれが、

なんども落ちた花を見て
そらにひっかけたひしゃく星が
掬って掬ってぜんぶの海をそらのそのうえにまきちらしてしまうまで


そこには
いたの ?

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