成熟した空虚 二〇〇九/
kauzak
ゴツゴツ落ちつかないバランスの崩れた車
その中で聴く二十歳のためのロック
その青臭さが自分のものではなくなって久しい
十年前に書いた詩を読み返しながら
失ったもの表現できなくなったものを知る
なつかしく振りかえる
ヒンヤリとした空虚を抱えて生きている
もはや僕はこの気分にすら馴染んで
淡々と生きている
春に向かう空は
鉛色に湿りながら曇り
存在感のないまま広がっている
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