予感/yuri.
 

すべらかな声は
よるのはじまりの、そのすきまを
ゆるゆると 這って 消えた

(あしたまでには帰ってきて、)


たゆたう姿は
終わりだったか
始まりだったか、

でも

そういう夢を
とりあえず 予感と呼ぶ

あたしたちは
いつだって 先に 輪郭をあたえる
/もしくは、
嗚咽する理由をあたえる


(むぼうび、ってあなたは言ったけど)



うすいうすい青に染まる、
背中のような朝を見る

カーテンの隙間に、
ことばとか
ひかりとか
よいんとか
そんなものがひしめいて

そのたびにあたしは

ペディキュアの
10色のカラフルを想う


( 冷凍庫のゆび、
その輪郭を懸命になぞっては
あたしは
予感を予感とするような
夢を みた )



日付がおぼれる 夜に/朝に

あたしは
刺すという

痛みを知る、




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