海へ/
kiriko
私はいろいろなことを思いながら
歩いてきたけれど
確かなことなどなにもなく
ただ歩いていくその風景があった
橋を渡れば
川が色々な色をしていて
私をそこに立ち止まらせる そして
空っぽの体になっている
風の匂いをかぐと
絵のような風景に吸込まれていく
浜辺に出ている
もう海は間近で
手を触れると
海水が痛む けれど
この世界に私は立っている
海に足をつけ 満たされた体をして
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