ア、ア ネ モ ネ)/aidanico
 

優しい三月の底力

夢には続きが必ずある。
望んでいてもいなくても
。アネモネを、仰ぎきれ
なかった、わたし、であ
る筈の体はそれを受け取
る前に水溜りへと溶けて
しまったのです。あんま
りにも強く雨が横殴りに
吹き付けるので、私はわ
たしの中心を失ってしま
いそうでした。それぐら
いに、よわく、脆く、捉
えられなかった指先はほ
そく伸びてしまっていた
のです。助けを求めた振
りなんかしていないのに

((ア、
端数のでた
媚の数かぞえ/ている
取り繕う・ため・に
綻びを直そう/と必死、なの
(ア、
の目線から扇状にループ
イ、の地点のみ/別々に分布
ちゅうしょう/てきだった/ことばたちには/
もうとうに飽きて・しまっ・た
ア、
三月のつよい意思
だった、/だから
いつもいつまでも四月にくぐり抜けられないでいる、の

ア、アネモネ)
あなたはひとりで
美しい朝を描く
ア、ア ネ モ ネ))
空に浮かんだ
五月雨を、
待ちきれずにいた四月のそぞろ歩き





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