ひらめけ!電球/かいぶつ
 
した電球を抱え
部屋にもどった電気屋さんは
寝るまえに必ずすることがあります
それは使い古された電球を
クリスマスツリーの電飾のように
ひとつひとつコード付きのソケットにつなげて
いっせいに電気を流すことです

するとたったひとつでは弱々しく
手もとを照らすにも頼りない
切れかけの電球が
ひとつの場所に集合し
明滅を繰り返すことによって
まるでオーケストラのように
なんとも楽しげな
光の交響曲を奏でるのです

電気屋さんは眠ります
小さな演奏会に
耳を澄ませながら

  本当はエジソンみたいな
  発明家になりたかった。



町の電気屋さんは
今日も大忙し

ひらめけ!電球

どうか未来を明るく照らす創造性が
みんなのあたまの上に
ハッ!とひらめきますように!

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