或る宣告を受けて/前澤 薫
 
雲に鉄塔が浮かび、鷗が舞う。
一面静止画のようでいて、
アスファルトをひと蹴りするごとに
地震のように画面が揺れる。
ドンドンドンと突き上げるような感じ。

今は坂の上で、
くだればそこは公園だ。
なだらかすぎる坂。

 私は或る宣告を通知された。
 「不能者」
 その事実に現実は応えてくれない。

鉄塔はかたく地に居座っていて、
冬の雲は沈着している。
そして、
傾げた雲に黒い鷗が滲む。
時間は刻一刻すぎているなど
思いも及ばない。

公園には広いグラウンドがあって、
若い男の子たちが
サッカーボールひとつ相手にして、

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