似非詩人/狸亭
 
妄のような鈍色の怠惰の森に
いつの頃からか迷いこんだのだろう。
俗世のあらゆる愉楽求め豺狼
どもに約された暖かい世界に。

十九世紀純粋詩人に
なろうとして気負った日々は蜃気楼。
偽宝石の破片を散らし早漏。
もはや新世紀の暴力の前に

平伏してしまったのか。ああ敗退。
人間の至宝とも言うべき倦怠。
はや憤怒を忘れ哄笑を忘れ

ひたすら浮流して行く魂は
瓦礫の積み木遊戯に心奪われ
廿台の感性から離れては。

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