忘れるまでが恋ならば/
夏嶋 真子
いつものように
髪を結い
いつものように
紅をひく
わたしは何も
かわらない
置き去りの
この部屋で
恋しい
恋しい
恋しいと
嘆くだけの
愚かさを
そっとひとり
肌にすわせ
口うつす
あなたが
わたしに
したように
忘れるまでを恋というなら
この恋のおわりは
この恋のおわりは
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