掌に、影法師/
小川 葉
誰もいない掌に
ひとり
立っていた気がする
地平線を探して
生命線に沿いながら
ひとり
歩いていた気がする
それはわたし
ではなかったかと思う
陽が落ちて
重ねる二枚の掌に
消えゆく
わたしの影法師
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