言いたいことも言えないこんな世のなかじゃ…コンスープ/土田
ことばのなかにことばが宿った日曜日
その子はとがったりまるかったりすることばの中の羊水で
じっくりことこと煮込んだコンスープのコーンのように
ゆっくりと優しさと厳しさを噛みしめて
ゆっくりと心地よさと痛みを伴い
ゆっくりと美しさと汚さを見終わり
羊水をいき良いよく這い出て
母親であることばを殺してしまったとしても
ぼくは雪みたいな雨が降った昨日の空のしたで
じっくりことこと煮込んだコンスープのコーンの最後のひとつぶが
どうしても食べたくてそれど頃じゃないんだ!というニュアンスで描かれた
エセ近代画家志望の友達の絵画になってしまい
母親のそばで泣きじゃくることばに言葉をかけてあげられなくて
やがてことばが何十年後かに自らのことばを宿らせる日曜日に
ぼくが描かれた絵画をホームレスが空き缶を売って稼いだ金で買った時
きっとぼくのかけたかった言葉のような体型になるんだろう
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