冬の鏡(十)/
信天翁
職場の休憩時間のような
物音ひとつしない冬の陽だまりのなか
黒ネコがチータのまねして
道路をのそりのそりとよこぎった
あれっ あのシルエットは
大名行列のやっこさんに真似て歩いてらぁ
なんと禿げあたまを亀背にのせて
不規則な息を吐きながら
それにしてもまぶしいなぁ
あのシルエットのゆくさきは
ひかりと闇が交錯しあっていて
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