朧雪/水島芳野
 
追憶は、雪のようにそっとほどけていった。

    舞うように迷うようにさ迷うように

夜明けまで踊っていられる?
「お安い御用よ」。

静寂の泉に息を流し込みながら
雪のように
沈むような浮き上がるような気持ちで
今、この瞬間は真っ白。

   舞うように迷うようにさ迷うように

ふゆのひかりはやさしいから
泣いてしまいたくなる。

今宵の月は、きっと透きとおって見えるよ
青白いひかりが

きっと君を照らすね。


息を吐き出して。

呼吸
、して。
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