あたしの町へ/柊 恵
あたしの町は線路の東
昔は深い森だった
ママが子供の頃だって
森が消されてしまったの
今は わずかに細長い
防風林か残るだけ…
夏休みまで あと少し
たいくつ過ぎる昼下がり
ぶらぶら遊ぶ子供達
暇持て余す子供たち
いつの間にやら集まって
ゴム飛び
缶けり
かくれんぼ
なんだか みんな
つまらない
ひんやり風が
首筋撫でた
みんなで顔を見合わせた
「防風林を探検しよう」
一つ年上 男の子
あたしは そっと目をそらす
聞こえていないふりをして
刺激を求める子供達
ただなんとなく危ない遊び
小さな悪魔のささやきに
抗うすべを探せずに
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