ははおや/亜樹
 
胃が痛いので、胃薬を飲む。
ほとんど毎日飲んでいる。
先日それが母親にばれて、病院にいけと煩い。
だので、それからは隠れて飲んでいる。

 ねえ、かあさん。
 どうしてわからないんですか。
 あなたはそうして、わたしがなにかするたびに
 沈痛そうに顔をゆがめて
 心配そうな顔をするじゃありませんか。
 それを見ると、わたしの胃はいたくなるんです。
 だってもうしょうがないんですよ。
 知らないんでしょう?
 あなたが見つけた胃薬がもう二瓶目だなんて。
 知らなかったんでしょう?
 だからもう気にしないで下さい。

母親はしきりに病院に行けという。
行ったところで
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