月と星の絵日記/
水島芳野
芝居がかった波が打ち寄せる
僕らの港からは
いつだって色とりどりの星星が見える。
かなしみを選びとれるほどに、
この世界は寒色で描かれないけど
しあわせを選びとれるほどに
この世界は暖色に染まらない
鮮やかな君の声は
禁断をもぎとれるのかと問うけど
僕はじっと耳を澄ますだけなんだ
いびつな僕の指先は、何も掴まない
まま、
おわってゆくけど
それはかなしいことじゃない
神さまがくれた港で
今日も君の星をさがそう。
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