むささび 渡る/Giton
 
宮に 人繁く
日がな一日 絶えず鐘の音
    ☆    ☆
東風吹かば 屋戸の梅の香伝へてよ
母の枕辺 ゐ添ふわが背に
    ☆    ☆
日にけにも たよりはあれど はしけやし
われは思へど 背は遠くあり
    ☆    ☆
はしけやし かなしくあれど 背を遠み
春の光に 笑みて語らふ
    ☆    ☆
初春の 雲なき空に 入り日差し 
友と語らひ 暮るる日もよし 
     ☆   ☆
さやけき夜 波立つ雲の 空高く
浮かぶ眉根に 君の面影
    ☆    ☆
新玉の 年月を経て 逢はなくに
君の
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