通り過ぎる鍔の草/井岡護
掲げた白い蓋の全方位に
彼らが
それらの一部が金属で構成された雄鹿が
二つに選択された音声を取り戻すのを見る為に
「階段の喉頭は半日前とは異なるでしょう」
また
同じ物は質量の半分が母になると
説いて歩く為に
そう
私がその中でどれを停止したのか
前者をどのように緻密にしていったのか
と虚偽の表現をしなさいという言葉によって
動く必要はない
彼はそれでも言う
金星状の何かが私の手の中の解剖学的な
手を常に連動させて組み上げられていく染みへの
屈服を薄くするのと同じ形式で崩れた意味の
無い咀嚼を残そうと懸命に奪われていく
あの家の
そう
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