見入ってくれよこの刺されよう/aidanico
 
窓を 開ける
 太陽が 沈む
もう 一寸 ひとりで
 眺めて もしも
藍と朱が交差する沖の向こう側に
寝そべって小さく閉じた夢を見れたらなあ
ああ

盗塁王 扱ける
 蜜蝋が 融ける
あと 六歩 緑で
 染めて 幾つも
街路樹が謳歌する青春の絵のこちら側に
待ち合わせして橙で塗りつぶせたらなあ
ああ

見入ってくれよこの刺されよう
飛び散っていまに色褪せよう
閉じ込めてまた鍵掛けよう
こじ開けて空から撒く、よう に

鳶飛んで 死せる
 山の 奥に
死んだと聞いた お前に
 花を 贈ろう
町の明かりもそれを見詰める閨の声も
聞けたらなあ


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