映画/1486 106
 
空想と現実の区別がつかなくなりそうな木曜日
迷い込んだ路地裏で見つけた破れかけのポスター
主役らしき俳優の鼻のあたりがなんとなく僕と似ていた

退屈に慣れてしまうのが嫌で
だけどやりたい事も思いつかなくて
時計の針と並んで歩くだけの日々だった

フィクションだってわかっていたって
憧れてしまうのは悪いことじゃない

登場人物が誰一人悲しまずに
笑顔で締めくくるハッピーエンド
そんな映画を見たくなったんだ



傷口に塩を塗られたような気分の金曜日
三度目の失敗でどん底の絶頂
「今度こそは…」ってお馴染みのセリフ

何もない場所で躓きながら
大好きな人に傷
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