ぼくの青い空から/小川 葉
 
 
ふりむけば植物しか生えていなくてもそこで生まれて生きたわたし

さといもを剥くために研ぐ包丁にうつるわたしさといもがひとり

街と人逢うたびわたし旅をした別れの数とひとしい夜だけ

終わったよ思うわたしまだ生きてる生きてるうちに終わるものあり

休日の窓をあけたら青い空白い軌跡わたし飛行機雲

アンテナが青い空を受信してるわたし生まれるもっと前から

受信したきみの声青い空から叫んだぼくの青い空から
 
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