「 夏が終わる前に 」/椎名
 
電車の窓から覗いた空は
まわりの暑さにおかまいなしの秋の雲
白い雲の間から
どこまでも青い空が笑ってる

車窓の外
流れゆく景色を見ることもなく
いつまでも青い空を眺めていた

電車がカーブする
空が変わる
あんなに青かった空が
ちょっと向きを変えただけで
雲に覆われた
なんだか淋しい空になった

いつも
青空だけを見続けていられたら
なんだか
陽気なこころになれるだろうに

小さなことでくよくよしても
あの空を眺めていられたら
忘れられる

端から端まで真っ青な
そんな空があって
そこに
真っ白な雲なんかあったら
その雲に乗ってお散歩なん
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