魚の顎、フォーカスと熱量。/Anonymous
 


フォーカスが甘くて
魚の顎にピントが合った。

フォーカスを合わせようと
距離をはかり、あの劇的なピントのoffとon。
霧深い惑星から霧が一度に消えたよに。

物語のはじまり。
物語のおわり。
火をつけるのと。
火を消すの。
どちらが難しいかって自ずとしれたもの。
君を探してフォーカスするのと。
君をないものとして意識してレンズを背けるの。

自ずとしれたもの。


羨望には
適切な距離感と、適切な熱量でいい。
それは映画館でみるその映画の前の他作の予告。

ふとセックスがしたい、と思ってみたが。
そうでもないことは先刻承知だった。

ふとセックスがしたい、と思ってみたが。
ふと1人で思ったときには
必ず自分1人しかそこにいない。

ふとセックスがしたい、と思ってみたが。
相手の顔が思いつかない。

暖かい甘いカフェオレが飲みたい、と思ってみると。
そこには暖かいカフェオレに通じる道ができるものだ。

おはなしをしてよ。
ピュー。

さあ、ひざを抱えて眠ろう。

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