電車に揺られて(その2)/
kauzak
電車の座席に揺られると
素知らぬ顔で睡魔が襲ってくる
この瞬間も手が止まって意識が飛ぶ
気が付くと携帯電話のバックライトが消えて
真っ黒の画面が虚しく光る
(この機種はどうしてこんなに早く消えるのか)
世界から切り放される一瞬が波のように
極小の死が何度も何度も飽きもせず僕を包み込み
僕は無意識のうちに身を委ねる何度でも
電車は一定のリズムを刻み続ける
よくできたミニマルミュージックのように
夜を溶かし僕に注ぎ入れる
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