ライカ・シンドローム/たりぽん(大理 奔)
 
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そんな犬に

かわらないものだって
知りたいんだ、だけど
それはかわらない
、という事ではなく

科学者のように傍観し
考古学者のように掘り返す
正しいとかまちがい
とかではなく

  プラネタリウムに無い星
  じっと見つめる先に
  風を嗅ぐと
  街の匂いに混じる
  アスファルトで生乾きの
  こぼれたコーラの甘い

鏡に映らない背中から
夜が染み出して
さがすように風を嗅ぐ

小さい犬が
自分の星をさがしている


    

[グループ]
戻る   Point(14)