ライカ・シンドローム/たりぽん(大理 奔)
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう
正しいとかまちがい
とかはしらない
模造できないほんとうを
さがすように風を嗅ぐ
そんな犬に
かわらないものだって
知りたいんだ、だけど
それはかわらない
、という事ではなく
科学者のように傍観し
考古学者のように掘り返す
正しいとかまちがい
とかではなく
プラネタリウムに無い星
じっと見つめる先に
風を嗅ぐと
街の匂いに混じる
アスファルトで生乾きの
こぼれたコーラの甘い
鏡に映らない背中から
夜が染み出して
さがすように風を嗅ぐ
小さい犬が
自分の星をさがしている
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