水中都市/Anonymous
 
いつのまにか

空が沈黙というものに取って代わられていた。
それは風を速度規制で逮捕拘留。
それは雲を飲酒運転の罪で投獄してしまっていた。
風と雲がいなくなってしまったせいで、
鳥が飛べなくなってしまって始めて皆気付いたのだった。
それは何世紀か昔のシャンパンゴールドのような色味だった。
それは共鳴音を出す間際の金属のような緊張を称えていた。

それは打楽器のような、例えばドラムのような地に属する音ではない。
腹の底に響くヤツではない。

それはもっと高音で耳にくるヤツに違いない。
それが始まってしまったら
元空だったものには断層ができ、雨の代わりに我々に降り注ぐだろ
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