くずされるヤマ/tomtom_poem
ヤマが見える
ヤマが近づく
ヤマが眼前に迫る
ヤマである
ヤマがふわふわと
どかんとある
ヤマの成分は積み重なりである
紫や青や茶や
白や黄や黒や
いろんな色が
ごちゃごちゃ積まれている
わたしは坐ったまま
じっと見まもる
バリバリの香り
陽のぬくもり
かれらは百%生還できたわけではない
あやまって落ち
汚れた仲間は
鋼鉄の冷たさへ逆戻り
強風で煽られ
木の枝に引っかかったものたちもいる
彼らは救出されたいま
ヤマの一部となっている
運命は残酷な皮肉屋だ
いまわたしは脚を伸ばし
もういちどぼんやりヤマを見つめる
ため息をこころで吐く
どっこいしょ
かれらはたたまれる
するとヤマは消え
夢にまぎれていく
わたしは疲れちゃぁ
いないよ
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