かうんとだうん/たりぽん(大理 奔)
 
電波時計のみっつの針が
ぐるぐるっと回り始めて
また今日が初期化されたね
いずれ始まる秒読みのために
まぶたのような夜を閉じるさ

  (じゅう、きゅう、はち)

朝のように目覚めれば
必ず明日になってるなんて
誰にも教わらなかったよ
ホッキョクグマが
減っていくことは悲しいのに
サイカニアが滅んだことは
どうでもいいみたい
目の前から失われていくこと
それが今日だね
悲しくて、明日が不安って

  (なな、ろく、ご)

時間のずれた電波時計を抱えて
ビルの屋上で電波を待つ
春一番が生ぬるくておかしいね
気まぐれに秒読みしてみるよ
ロケットの発射を待つ子供のように
でたらめに
調子っぱずれに

  (よん、さん、に!)


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