純粋正義への架橋22/チャオ
いくつもの命があるのにもかかわらず、幾人の手に取れるだけの人間の言葉しか、目にとめることはできない。
人生80年。一度くらいは人を助けることのできる機会には恵まれるだろう。その場面から逃げること、無視することもできるだろう。結果の話はまた別の機会だ。今は過程の話をしよう。
およそ100キロ。一人きりで走ってきた。よくいる旅人だ。その中に言葉を連ねる人はどれだけいるだろう。そのなかで、無職のやつ。就職に5回落ちてるやつ。
ここまで絞れば、だいぶ僕の輪郭は浮かんでくる。
100キロ走る僕を周りはすごいというけれど、僕がすごいと思うのは、就職に5回も落ちて、職なしで、100キロ走って
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