皿/
小川 葉
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう
そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ
足を踏み入れてしまったような
そんな気持ちになっていて
着地すれば
皿はまた背中にぴったりと
密着してあるから
わたしの皿は
そういうものなのだろうと
思って大切にしてはいるが
皿がなんなのかは
未だにわからないで
生きている
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