あまつつみ/鈴沖 雄太
 
り続いて
少年は母の膝で眠り
死骸は膨張し続け
鳥は森の上を
ぐるぐる
ぐるぐる
回っていた


 (そのとき)


私たちは/私たちの
清潔な部屋の中で
透明な地球儀を覗き込み
アフリカや
ヨーロッパの裏側を
じっと眺めていた


  「ほらムーム、すりがらすが透けてしまった」

   私はそう言って

  「                   」

   ムームは何も言わなかった


 (それから)


雨はふいに降りやんで
私は/私たちの
清潔な部屋の中で
地球儀から空気を抜いてしまう
だろう

ムームは
籐椅子に深く座り込んで
もう眠ってしまった

――ほらムーム、森がざわめいているね、
  静かに、静かに

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