知らないことについての断片/
 

「息を継ぐ」


分からないまま
首を縦に振る
流れにまかせて泳ぐ
そして時々溺れる
深い海の底で
深呼吸するような
青い空気に染まっていく
太陽と共に
嘘が暮れて
夜と共に
言葉が空を滑り始める

明日
知らないこと
の多さを知っている
分かりあう
分かりあったつもりになる
月に反射する
薄い光の見え方が
あなたとは違うということ
気が付けば
少しずつ
針が回って
地球儀は元へ戻り
同じ坂道から
また昨日が滑り落ちていく





「守られている」


突き刺したのは夕暮れ
崩れていったのはいくつかの煉瓦
そっと積
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