盗んだ桃は。/Anonymous
10歳も年下の詩人の言葉。
訳知り顔で愛をかたり
人の眼を凝視する。
僕は見透かされている。
ただただ
負けまいという10年のキャリアという薄っぺらな矜持を持って
対峙する。
薄っぺらの矜持なんてガラクタの為に
僕は心のうちをさらけだす。
この辺に縄張りを張るあの猫は
僕の鼓動にいらだっている。
それが彼に危害を加えないそんなのわかっている。
だけど
彼はいらだちを隠せないでいるし。
僕は鼓動をとめることはできない。
僕はヤツの眼に詩人の言葉を見る。
僕はヤツの物腰に奪えないあいつの心を感じる。
放置した
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