退屈な女の子のための病院の廊下/K・フラグメント
人工コスモスの隣には
乱れたシーツのような砂丘があった
日光の幻影を
砂の中に溺死させようとして
仮定法過去は無駄使いされる
機械音の聖書を寝息のそばに
星座模様のウイルスたちが
ゆっくりと浮遊する空中を
夜の番人が凝視する
自意識の緩衝地帯は
コーラ色の歯痛する
良心の棲みか
しかし夜は終わる
夢は突然に終わる
すべてを断ち切るその光
あまりに眩しく、立体的な地上から
低速のエレベータは
逃げ出したがっているのに
(エレベータに乗るのはもういやだ)
わたしたちは今にも消えてしまいそうだ
雪原の永遠を攻撃する
三滴の血液のように
少女が現れるとき
一つの曲がり角で始まる屍色の壁よ
発狂した回転扉のように
くるくると回りつづける女の子の退屈から
待合席の病人たちは視線を逸らす
自分は回転していないと信じるために
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