知命〜take leave of my senses〜/伊月りさ
 
胎内で飾られた
くるわない羅針盤が
まだ胸で光っているのがいけない

この先を覆っているものが真白い羽根なので
どうにかなると思っているのか わたしは
この発電器が雨にうたれて
錆びていくのを眺めている

  たとえばひとりになってごらん
  信じているだけの約束が
  やぶられたときを思ってごらん
  くるって、そして気づくだろう
  羽根の集合が鳥ではないこと

母の鎖(コミュニケイション)と
父の螺子(ディスカッション)と
体液がタプタプだ、この
羅針盤を胸にさげ
道路を開発するのなら
欲望のままに回転させて
感電したほうがいい、きっとい
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