くずかご/
小川 葉
他に歩むべき人生が
あったのかもしれない
でなければ
書かない
わたしはこの詩を
書きかけた
紙をもみくしゃにして
くずかごに捨てた
はずの詩を
他に歩むべき人生を
歩んでいる
わたしのくずかごから
拾ってきて
その詩の続きを
書いてるのかもしれない
他に歩むべき人生が
あったなら
詩もわたしも
存在しない
そんな世界で
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